『ヘンリー、人を癒す』復刊にあたり、
編集部から二言・三言‥
央子さんとの出会い
 その当時、雑誌『地球人』で「アニマル・セラピー」の特集を企画していた私は、関係書をかたっぱしから読みあさっていました。そこで角川文庫版『ヘンリー、人を癒す』に出会ったのです。ぜひこの筆者に書いてもらいたい、とにかく、会って話が聞きたい、という願いがかなって山本央子さんと会うことができました。そして、「雑誌ができたら今度はヘンリーにも会わせてくださいね」と約束して別れたのでした。

ヘンリーの訃報
 その約半年後、地球人5号も無事できあがり、いよいよヘンリーに会いに行きたいな、と思っていたところ、央子さんからヘンリーの訃報が届きました。とても元気に暮らしていると聞いていたので、あまりの突然の死におどろき、またその臨終の場に央子さん自身が居合わせなかったと聞くと、第三者の私にはどのような言葉をかけてよいのかわかりませんでした。

復刊への思い
 それから二年ほどがすぎました。せっかく文庫化された『ヘンリー、人を癒す』が早くも絶版となって入手不可能だという情報が私の元に届きました。こんなに良い本が、かんたんに絶版になってしまうことが残念でなりません。もっともっと多くの人に、読んでもらいたい。
 しかし、一度単行本として出版され、さらに文庫本で出まわった本を、さらに出版するということは大きなリスクをともないます。弊社のような小さな出版社にとっては、冒険です。
 でも、小さい出版社だからこそ、少部数からやることができる! ついに決心が固まりました。

たくさんの写真
 復刊にむけて、央子さんから写真をお借りしました。届いた写真の多さにまずびっくり。初版本にも文庫本にも使われていない写真がたくさんあります。その写真の量は、央子さんとヘンリーがどれほどたくさんの人に愛されてきたかを、如実に物語るものでした。
 ですから、この本では大幅に写真ページを増やしました。ぜひご覧ください。

ヘンリーの匂い
 その大量の写真のなかに、お菓子屋さんの箱がひとつ入っていました。開けてみると、ぱあぁっと動物の匂いが広がりました。「ヘンリーの匂いだ!」と思い、とっさに箱を閉じました。央子さんの大事なヘンリーの匂いが、消えてなくなってしまってはたいへんです。でも、とうとう会うことができなかったヘンリーが、挨拶に来てくれたみたいで、胸がいっぱいになりました。
 その箱の中には、ヘンリーのハーネスとデルタ・ソサエティ第1000号のIDカードが入っていました。この本のプロフィールと、奥付に掲載しています。

ぜひ読んでください
 『ヘンリー、人を癒す』は、アニマル・セラピーのための本ではありませんし、犬好きのための本でもありません。できるだけたくさんの人に、いつまでもいつまでも、読んで欲しい。その思いだけで出版にこぎつけた本です。ぜひ、多くの方にこの本を紹介してください。

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